Evidence Based Healthcare Council

理事長挨拶


 

   健康の謎を解く、
  人間のための医学研究—
  「疫学」を手がかりに 
 
    理事長
  中山 健夫

    京都大学大学院医学研究科
    社会健康医学系専攻長
    健康情報学分野 教授

 初代・西村周三先生(経済学)、2代目・森谷敏夫先生(運動生理学・スポーツ科学)に続き、平成28年4月に本協議会の理事長に就任しました中山健夫です。
 私は患者さんを診る医者からスタートして、今は人間の健康や病気の原因、より良い医療の在り方などを考える研究に取り組んでいます。
 
 皆さまは、一年のうちで何日か、なぜか身体がとてもだるい、といった経験はありませんか?
 そんな時は、食べた物か、寝不足か、人づきあいのストレスか…といった具合に自分なりに理由を考えて、納得しようとされるかもしれません。自分の経験だけなら、そんな日もあるかな、と思って終わり、しばらくすれば体調も戻ってくるでしょう。
 — ここで、何人かが毎日の「体調のデータ」を持ち寄ったらどうでしょうか? もしかしたら、あなたが「調子が悪い」と感じていた時、同じように「調子が悪い」と感じていた人が“何人も”いることが分かるかもしれません。
 「あなただけ」なら、それで済ませられることも、同時に“何人も”いたら、そこには何か「見えない原因」があるかもしれないのです。
 こんな考えで、健康に関わるさまざまな問題の謎を解き、人々を守っていく医学研究を「疫学(epidemiologyエピデミオロジー)」と呼びます。
 
 疫学は実験室の中で行われる研究と違い、実際の社会で、多くの方々の協力をいただきながら取り組む科学です。
 多くの方々が自分のデータを持ち寄れば、これまで分からなかった「良いもの」や「良くないもの」が見えてくるでしょう。それが分かれば、私たちはもっと健康に、安全に、そして〈もう少し〉幸せに生きていけるかもしれません。
 そんな人間のための科学を一つの手掛かりに、皆さまと本協議会の活動を進めていきたいと願っています。どうぞ宜しくお願い申し上げます。