Evidence Based Healthcare Council

理事長挨拶


「ウィズ・コロナ時代」に
 協議会が目指すもの:

 「社会の形」は変わるけれども、
 「大切なもの」は変わらない
 
 
  NPO法人エビデンスベーストヘルスケア協議会
  理事長
   中山 健夫
 
    京都大学大学院医学研究科
    社会健康医学系専攻  健康情報学分野教授

 2020年、私たちは、新型コロナウイルスのパンデミックという、人間社会、そして人類にとっての大きな試練を経験することになりました。中国からアジア、欧州、そして北米から南米と、初の報告から数か月で、このウイルスはほぼ世界のすべてを席巻しました。
 
 このごあいさつを書き直している6月、多くの人々の努力と献身、そして犠牲の上に、日本はじめアジア諸国では感染コントロールが視野に入りつつあります。一旦収束が見られても、有効なワクチンが開発されて広く行き渡り、インフルエンザや多くの感冒ウイルスと同じように、もっと穏やかな共存が可能になるまで、このパンデミック後の社会は「アフター(after)・コロナ」ではなく、「ウィズ(with)・コロナ」と呼ばれます。しかし、手掛かりが皆無に近かった1、2月に比べれば、情報は着実に蓄積されており、その意味でも状況は改善されつつあります。私たちはウイルスにただ怯えるためではなく、向き合うために、その特徴を学んでいくことができます。
 
  「ビフォー」の時代の当たり前だった日常が無くなり、命の危険と価値観の揺らぎを経験したこの数か月で、気づいたことは「大切なもの」は、実はそれほど変わってはいないということでした。それは、このNPOでご一緒している皆様と折々に話してきた利他や互恵であり、ゆるやかで、温かい人のつながりを目指すことなのだと、改めて感じています。そして、変わらない「大切なもの」を守り、形にしていくための方法は、新しい視点や考えが求められ、その結果として「社会の形」は、自ずと変わっていくことを感じます。
 
 ウィズ・コロナの時代、変わらない「大切なもの」に立ち戻り、新しい「社会の形」を目指して、いろいろな方々とご一緒に、今だからこそできる形で、活動を推進していきたいと願っております。
 改めて、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

(2020年6月22日掲載)

 

 
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